12月に入るとあっという間に新年がやってきますね。12月は忙しくしている方も多いのでは。そしてもうすぐ、冬至がやってきます。冬至といえば、ゆず湯やかぼちゃを思い浮かべたりする方も多いのではないでしょうか?
せっかくこの日本で暮らしているので、年中行事を楽しみたいものです。
この機会にじっくり冬至を深堀りして日本の文化を味わってみるのもいいですし、
忙しくてそんなこと考えている暇もなくても、ほんの少しだけ冬至のならわしの要素を取り入れてみると、冬至の日をより素敵な1日にできるはず。
ここでは、冬至とはどんな日なのか、どんな過ごし方をするといい日なのか、冬至に食べるといい食べ物などを紹介します。
冬至とは?運気の上がる12月の行事
冬至は1年の中で陽の出ている時間が一番短い日。1年を春夏秋冬の4つで分け、それをさらに6つの季節で分けた二十四節気のひとつでもあります。
冬至は、おおよそ12月22日になるのですが、閏(うるう)年により日にちがずれることもあります。(2024年は12月21日が冬至。)
この冬至の期間の初日、いわゆる冬至の日には、ゆず湯につかったりかぼちゃを食べたりと年中行事を楽しむ方も多いと思いますが、なぜそんなことをするのか知っていますか?
冬至は、「一陽来復」の日とされ太陽の力が一番弱くなる日。よくないことが続いた後にいいことが巡ってくるという意味があります。生の太陽の力が弱まり、死の夜が一番長くなる。死と一番近い1日でもあります。そしてこの日を境にまた生命の力が増していくのです。
そこで、この冬至の日に厄を落として禊(みそぎ)をし、また運気が上がることをすることで翌年の運気を上昇させる意味合いもあるんですよ。
また、冬至は日本だけでなく世界でも年中行事として行われていて、昔は冬至を一年の始まりとしていた地域もあります。
世界の冬至
もともと二十四節気は中国発祥のもので、中国では冬至は伝統的な大きな行事の一つ。「冬至大如年(冬至は春節のような大きな行事)」といわれていて、とても大事な行事とされています。祖先と神をまつり、親戚や友人とともにお祝いする日です。この日は家族で水餃子やワンタンを食べたり、家族円満を願って「湯円」というお団子を作り食べたりします。この湯円を食べることを「冬至団」といいます。
冬至から19日は1年で最も寒い時期に入るとされています。四川省など北方では、冬至に高齢の方の体質に合わせた薬膳食材を使った煮込み料理を作ったり、靴下や靴を贈る習慣があり、年長者に温かく過ごしてもらうと幸せがもたらされるとされています。
北欧では、冬至は「ユール」というお祭りの日。クリスマスの語源ともいわれているこのお祭りは古代北欧から続くもので、もともとは豊穣のお祭り。緯度の高い北欧では、日中一度も太陽のぼらず昼間も暗い「極夜」という時期があり、この時期の太陽は神聖なものとされ人々は太陽が昇るのを待ちわびたそう。
このユールでは、「ユールログ」という木の幹を燃やした太陽の復活をお祝いする儀式が行われていました。この丸太が、クリスマスケーキ「ブッシュドノエル」の元となったそう。太陽の神オーディンに豚肉をささげる風習があり、今でもスウェーデン、ノルウェー、ドイツ北部ではクリスマスには豚肉料理を食べるのが一般的です。
冬至にやるといいこと。行事食など
冬至にやるといいことはいろいろ。全部やってからだを整え、運気をぐーんと上昇させるのでもよいし、とりあえずこれだけはできそう!というものから手をつけてみてもいいですね。
ゆず湯につかる
冬至といえば、ゆず湯。風邪を予防するという意味もありますが、輪切りにすると黄色い丸い太陽がイメージできるため、太陽が弱まっているときに太陽のチカラを補い、身を清めるという意味もあるようです。
ところで、実はこれ「冬至(とうじ)」と「湯治(とうじ)」の語呂合わせでもあります。ダジャレなのか、とがっかりしないでくださいね。昔の人々は、こうやって語呂合わせで縁担ぎしてきたことがたくさんあります。
そして驚くのは、これらが理にかなっているということ。遊び心でダジャレにしたかどうかはわかりませんが、科学もまだ発達していなかったた頃。昔の人は感覚が豊かで心や身体の声をちゃんと聞いていたのだろうと思えます。
かぼちゃを食べる
そうです!やはり、冬至にはかぼちゃを食べましょう!
冬至の日にかぼちゃを食べると、風邪をひかないと言われています。かぼちゃの明るいオレンジ色が、太陽の力を助けるという意味があります。
かぼちゃの旬は夏ですが、保存がきき、この季節の栄養補給に最適。ビタミンAのもとになるβカロテンやビタミンCが豊富。この時期の栄養補給にぴったりです。
「ん」のつくものを食べる
冬至には「ん」のつくものを食べる風習があります。これは「ん」のつく食べ物を食べることで「運」を呼び込めるという縁起を担ぐもので、「運盛り」と言います。
これは、太陽の力が一番弱まる冬至を境に運気が上がっていくところ、運盛りをしてさらに運気を上げることをしよう、というものです。
このように、運盛りに食べられる食材として
れんこん、にんじん、かぼちゃ(南京=なんきん)、うどん(うんどん)、ぎんなん、きんかん、寒天→これらは「ん」が2つつくことで、より運気が上昇する、というもの。冬の七種(ななくさ)ともいわれます。冬至の日に、にんじん、大根、こんにゃくなどを入れたけんちん汁を食べる地域もあります。ギャグのようですが、日本で縁起を担ぐといえば、語呂合わせ(笑)。それも含めて行事を楽しみましょう!
小豆粥を食べる
お米と一緒に小豆を煮た小豆粥は、冬至の朝食べるとよいとされています。
小豆は古くから邪気を払うと言われていて、年中行事における節目にはよく食べられている食材。
冬至でも、小豆粥を食べる習慣があります。
小豆は食物繊維が豊富で、ビタミンB1・ビタミンB2のビタミン、またむくみの解消になるサポニンや、亜鉛、カリウム、鉄分などのミネラルも含まれ、身体のめぐりを良くしてくれます。冬は一年のうちで一番代謝の落ちる時期。代謝が落ち、むくみがちなこの季節でいただく小豆粥は、古来からの人の知恵ですよね。
番外編~ヒンメリを飾る
フィンランドの伝統的なモビールのヒンメリ。フィンランドでは別名 "光のモビール" とも呼ばれています。ストローのように空洞のある麦わらに糸を通して作られた幾何学体のヒンメリは、部屋に一つあると柔らかな気持ちになれます。
麦わらは主にライ麦の麦わらで作られているのですが、北欧やドイツ北部で主に収穫されるライ麦が豊かさの象徴でもあるようです。日本ではお米が豊かさの象徴でもありますが、その地域で主食としているものが豊かさの象徴として表されるのですね。
このヒンメリは、もともと冬至に行われる太陽の復活祭、ユールで飾られた伝統装飾。これが後にクリスマスとなり、クリスマスツリーにヒンメリが飾られたりもしますね。北欧に住む人たちは、太陽と恵の象徴である麦で太陽の力をもらい受けていたのでは。
このヒンメリはクリスマスの飾りとして始まりましたが、今では幸運のモビールとして年中飾られています。手作りのヒンメリをお部屋に飾るのも素敵ですね!
まとめ
冬至は、一陽来復。太陽の復活を祝う世界共通のお祝いの日。日本古来のやり方でも、外国の習慣を取り入れてみるのも楽しいですね。
ぜひ冬至の日を楽しんで、健康に運気アップしたいものです。ほっこり素敵な冬至をお過ごしください。